453のチョメチョメ

453帰還!・・・できませんっ!!
今日は待ちに待った帰還の日
冷蔵庫は空にしたし、部屋中のコンセントも引っこ抜いた。準備万端!
「さて、手始めに銀行で航空費を引き落としてくるか」
ポケットにi-podを忍ばせ、意気揚々と暗くて狭くてくっさ~い部屋を飛び出したオレ。
もはや誰にも止められない

UFJでは平日の昼にもかかわらずATMの前に長蛇の列。
「フッ・・・これが最初の試練か、やってくれる」

まだか・・・まだか・・・

先の見えない真っ暗なトンネルに迷い込んだかのごとく、オレの心は動揺していた。
銀行に入ってからi-podから流れ始めた「リライト」は既に終わり、次曲「サイレン」はすでに2周目のサビを迎えていた。
あと3人・・・あと2人・・・・
目の前の刺客たちが次々と空いたATMに食らいつき、侵食していく。

だが、どんなに長いトンネルにも必ず出口はあるものだ
ついにオレは最前列にたどり着いた
勝利を確信したオレ、こみ上げてくる笑いをこらえながら、冷静に視力1,5の邪眼で6台のATMに照準を合わせる。
しかし、本当の戦いはここからだった・・・

まだか・・・だかま・・・かまど・・・

その時のオレの精神状態は万華鏡車輪眼をくらったカカシと比べても、なんの遜色もないほどにに衰弱しきっていたという・・・

だがオレの邪眼は見逃さなかった。

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

右から2番目のATMを独占していたモンスターが一瞬のスキを見せた。
「もらったぁああ!!!!!」
思わず声をはりあげたオレに何十もの視線の針が突き刺さる
だがオレは耐えた
クリリンの痛みにくらべればこんなもの!!
オレはこれまで野球で見せたことのない素晴らしい瞬発力でスキだらけのATMにダッシュをかけた。
その時の素早さはUFJの防犯カメラによって記録され、ダビングされ、配布され、この先何十年に渡って社員の間で語り草になることだろう。

オレはATMにたどりつき、後方からの視線に優越感を覚えながら、その美しいフォルムを舐めまわすような視線でなぞり、指先でやさしく愛撫した。
その時の・・・(以下略
「フッ・・・オレとしたことが、目的を見失うところだったぜ。えっと・・残高照会、残高照会・・・」

っっっっっっっっっっっっっつ!!!!!!!!!!!!!!

「足りん・・・・・・・・・・」

そしてオレはまた暗くて狭くてくっさ~い部屋に戻り、怒りのあまり野菜生活を飲み干した。

そして一言つぶやいた
「あいつに・・・あいつに振り込んでもらうか・・・ククク」

続く   453